こんにちは、ノリスケです。
IRカジノ利権をめぐり、2019年年末に秋元司衆議院議員が東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕されました。「収賄」ということでかなり大きな利権の様ですが、そもそも「IR」って何なのでしょうか?そしてそれは、どこにできる予定なのでしょうか?調べてきましたよ。
目次
IRって一体何?
略して表記されることが多いこの「IR」ですが、いったいどのようなものなのでしょうか?
IRというとこれまで日本で最も一般的だったのは、インベスター・リレーションズ。
このIR=インベスター・リレーションズとは、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動のこと。
日本では「投資家向け広報」とも訳されていますが、IRというイニシャル表記も定着しています。
しかし、今回話題となっている「IR」はこのインベスター・リレーションズではありません。
では、詳しく解説していきます。
IRとは「統合型リゾート」
IRとは、賭博施設である「カジノ」のほか、ホテルや劇場などの娯楽施設、そして国際会議場や展示会場などのMICE施設、さらにショッピングモールなど商業施設が一か所に集積した複合的な施設のことです。
IRは「Integrated Resort」の頭文字の略で、統合型リゾートとも呼ばれます。
IRに関する日本におけるこれまでの動き
経済成長力の鈍化した日本において、経済を活性化させる起爆剤の1つとしてインバウンド(海外からの訪日客)も取り込める大型の集客施設をつくろうという動きが、21世紀に入ってから本格化しました。
国際観光を推進しようとする歴代政権の考えとも一致したことから、その動きは強まり2002年に超党派の議員連盟が発足。
2013年と2015年にはカジノ解禁を柱とした「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法案)」が国会に上程されました。
2016年には「IR推進法」が成立。
2018年4月には「IR実施法案」が閣議決定、同年7月20日に成立しています。
海外の有名なIR
カジノを中心とする大型の統合型リゾート施設は大勢の外国人観光客の取り込みが見込めることから、その地域ひいてはその国の経済力を大きく後押しする効果があるとされています。
では、海外にはどのようなIRが存在するのでしょうか?
海外のIRを知れば、そのイメージがつかめるはずです。
ラスベガス
煌びやかなホテルがひしめく様に並び立ち、1年365日その灯りが落とされることがない不夜城・ラスベガス。
アメリカ・ネバダ州にあるラスベガスは世界でもっとも有名なIRです。
ホテルにはカジノを中心とする賭博施設が併設され、世界中から観光客を呼び込んでいます。
マカオ
マカオ(澳門)は正式には「中華人民共和国 マカオ特別行政区」と呼ばれます。
30㎢足らずの面積で、中国本土と隣接した「マカオ半島」、離島である「タイパ」と「コロアン」、そしてタイパとコロアンの間を埋め立てた「コタイ」地区から成り立っています。
その歴史は1840年代までさかのぼり、ポルトガル植民地時代にカジノが合法化されアジアにおいて最も古くて長い歴史を持つIRです。
また、中国の経済成長に伴い今もIRが続々と建設されている成長途上のIRでもあります。
シンガポール
都市国家であるシンガポールはある意味、国自体が一つのIRであるともいえます。
ただし、カジノ解禁を決定したのは2005年。
IRが本格的に始動したのは2010年で、この年に初めてホテルや商業施設を備えたIR2か所が開業。
かなり新しいIRといえます。
その一方で、後発の遅れを取り戻そうとするかのように投資規模はあわせておよそ1兆円と大規模なIRであることでも知られています。
IR誘致に名乗りを上げている日本の都市一覧
誘致が実現すれば、その地域の経済規模を飛躍的に大きくすると見込まれているIR。
それだけに、国内の誘致合戦も過熱しています。
名乗りを上げている都市を紹介します。
大阪・夢洲
大阪府・市は、カジノ法案が話題に上ったかなり早い段階からIRの開業候補地として名乗りを上げていた自治体の代表格です。
神奈川・横浜
2019年8月、横浜市は「山下ふ頭」を候補地とし、2020年代後半にIR開業を目指すことを公表。
突然の誘致表明に、国内外からの注目も高まっています。
しかし、地元の反対の声が大きいことがネックとなりそうです。
長崎
近年の日本への外国人観光客の中心は中国・台湾・韓国ですが、それらの国から3時間以内と非常に近いという立地が有利に働きそうです。
一方で、アジアにはすでにマカオやシンガポール等大型IRがいくつも存在しているため、どう差別化するかがカギとなりそうです。
和歌山
和歌山はかなり早い段階からカジノ誘致に最も積極的な自治体の1つでした。
ただ、最有力とも言われる大阪と立地が近いため大阪とどう折り合うかがキーポイントとなりそうです。
東京・台場
世界各国とのアクセスの良さを考えると最有力候補ですが、出足の遅れが気になるところです。
その他
愛知・常滑、愛知・名古屋、北海道・苫小牧、北海道・留寿都、千葉・幕張なども誘致の可能性を残しているとみられています。
IRはいつできる?
IRの候補地が決定するのは202年前後とみられています。
このため実際にIRが完成するのは早くて2024年ごろなのではないかと見込まれています。
IRのデメリットや反対の動き
いいことずくめのようなIRですが、実際には多くのデメリットも指摘されています。
ギャンブル依存症患者の急増や、治安の悪化などがその最たるものです。
こういった側面から横浜のようにIR誘致に根強く反対する声があるのも事実です。
まとめ
経済力の停滞が著しい日本において、その救世主であるとの呼び声も高い「IR」。ただ、いつどこにできるのかはまだほとんど決まっていません。またメリットを強調する声ばかりでデメリットが周知されていないのも気になるところ。ひとりひとりの日本人にとって果たしてプラスなのかそれともマイナスなのか。そのあたりもっかりと見極めて、成り行きを見守りたいですね。