主婦の味方グルーポンが日本市場撤退!なにがあったのか?

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こんにちは、ノリスケです。

クーポンといえば「GROUPON」というサービスを聞いたことがあるでしょうか。有名なクーポン発行プラットフォームですが、2020年9月28日、日本法人であるグルーポン・ジャパンは日本市場から撤退することを発表しました。


手軽に利用できる格安のクーポンサイト「GROUPON」にいったいなにがあったのでしょうか。

目次

どんなサービス?

まずは、「GROUPON」がどんなサービスなのかご紹介します。

クーポン発行プラットフォームである「GROUPON」は、WEBサイトやスマートフォンアプリからユーザーがクーポンを発見、事前購入すると、当日クーポンを使える便利な仕組みを提供しています。

契約しているお店のジャンルも幅広く、レストラン、ホテル、クルージング、BAR、スパ、コンタクトレンズなど多種多様にサービスが揃っており、老若男女問わず人気のあるクーポンサイトです。

幅広いジャンルだけでなく、スマートフォンから手軽に検索して決済できるスマートさや、50%OFFのような破格の安価なクーポンを1枚から購入できる点も、クーポン業界で登りつめた理由といえます。

どんな会社なの?

グルーポン自体はアメリカが発祥の地。2008年にシカゴに本社をおいて設立され、「共同購入型クーポン(デイリー・ディール・ビジネス)」とよばれる、購入者が一定数集まるとクーポンが発行される仕組みを活用しました。このサービスは事前決済のため、店舗側にとって見込み顧客がわかることが最大の利点です。

一番最初はシカゴでピザの半額キャンペーンを行ったことがきっかけでしたが、今では世界中にサービスが広まり、一時期は世界48カ国に及ぶほど支社も展開されました。

日本に参入したのは、2010年8月のこと。創業2ヵ月目という若いベンチャー企業「クーポッド」を買収して日本法人とし、企業名を「グルーポン・ジャパン株式会社」と改名しました。

世界で会員数が1億4000万人にのぼるほどの勢いもあり、グルーポン・ジャパンもすぐに国内最大級サービスの座に。本社の東京のほかに、札幌、名古屋、大阪、福岡といった各地に支社をつくるほど、社員数も日本での会員数も増加しました。

ところが、GROUPONには撤退することになった今年9月までの10年間の間に、度重なる不祥事があったのです。

過去の不祥事

知っている人は記憶に刻まれているであろう、GROUPONの有名な「スカスカおせち事件」という不祥事があります。

これは、2010年末に、GROUPONの契約店である「外食文化研究所」が定価の半額(税抜1万円)でおせち料理の宅配を販売したところ、おせちが届いた時期が正月を超えていたり、中身がスカスカで商品画像と大きく異なっていたことから、苦情が殺到した事件です。

衛生面の確認から外食文化研究所に農林水産省が立ち入り検査を行ったり、GROUPON側も広告画像が景品表示法違反にあたるとして、世間をざわめかせました。

このほかにも、たいやきを販売する契約店に偽造クーポンが使われる事件(2010年)や、顧客情報流失事件(2011年)、未契約でケーキを無断割引販売した事件(2011年)など、数多くの不祥事があり、どれも一貫してGROUPON側の対応の不備や、社内体制の不十分さが原因となっていました。

なぜ撤退したのか?

Impress Watchより出典
不祥事が重なりつつも、グルーポン・ジャパンはイメージ回復のために「夢のおせちキャンペーン」(和食・フレンチ・中華・スパニッシュ・デザートがそれぞれ1段ずつ重なった五段のお重を抽選で5人にプレゼントするキャンペーン)を行ったり、社内制度を大幅に変更して、契約との契約内容やサービスの確認行程にもかなり力を入れるようになりました。

しかし、その努力もむなしく、10年で日本撤退となり、その理由は公式には明かされていません。

撤退した理由

撤退した本当の理由はなんだったのでしょうか。たしかに、近年はグルーポンのグループ全体で業績が悪化しており、グローバルでも多くの国から撤退しつつある低迷期でした。

過去の不祥事のイメージから、信頼を取り戻すのに時間がかかっていたのも、理由の一つにはあったかもしれません。しかし最も大きな理由は、日本参入時のサービスの展開の仕方を誤ったことにあると思われます。

そもそもアメリカ本社のグルーポンが提供する共同購入型クーポンは、「フラッシュマーケティング」と呼ばれる戦法で、短い時間(フラッシュ)の間だけ購入したい人が一定数集まれば割安なクーポンをインターネット上で購入できるもの。購入可能人数に達するように、購入者がネット上で呼びかけをしてさらに購入者を増やす集客の役割も備わっています。

海外では、事前決済により見込み客がわかった状態で販売ができ、集客機能から客の情報分析をして固定客につなげられる画期的な方法として流行りました。

ところが日本では、一定数購入者が集まる必要がなく1枚から購入可能で集客が少ないうえ、その場の販売で一時的な売上をあげることに注目されたために、契約店自体の固定客が増えず、商品・サービスの質の低下を招く結果となりました。

似たようなサービス

フラッシュマーケティングをいかしきれなかった、グルーポン・ジャパン。消費者の我々からすると、「GROUPONが撤退するなら、同じくらい格安クーポンは今後どこで買えるの?」という疑問が生じるところ。

実はGROUPONにより日本でフラッシュマーケティングが広まったころに競合となった「ポンパレ」も2018年にサービスを終了しています。

現在、同じように格安でフラッシュにクーポンを購入するなら「くまポン」や「LUXA」がおすすめです。LUXAはスマートフォンアプリにも対応しており、レストラン、エステ、コスメ、家電など広くサービスを扱っています。

まとめ

消費者にとって使い勝手のよいGROUPONが日本から撤退するのは非常に残念ですが、9月28日までに発行された、有効期限内の未使用クーポンは12月27日まで使えます。

お持ちの方は、ぜひ最後にGROUPONの格安さを楽しんでみてください。
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