2020年10月16日にアニメ『鬼滅の刃』の劇場版、映画『鬼滅の刃 無限列車編』が公開され、世間は空前の「鬼滅ブーム」でにぎわっています。今年のハロウィンでは、一般人から有名人まで、『鬼滅の刃』のキャラクターのコスプレを披露した人が多かったようです。
公開から1ヵ月以上経つ現在でも、鬼滅ブームはおさまらず、さまざまなTV番組でも特集されています。若者だけでなく、大人まで楽しめる『鬼滅の刃』の魅力とはなんなのでしょうか？調べてみました。
目次
鬼滅の刃とは
原作を知らない人は、そもそも「鬼滅の刃」ってなんなの？というところからスタートでしょう。もともと『鬼滅の刃』は、集英社の週刊少年ジャンプに2016年から4年3ヵ月間、掲載されていた漫画です。人気絶頂期の2020年中に掲載終了し、続編を期待する声もあがりましたが、作者の意向により、ストーリーを無理やり延ばさせず完結となりました。コミックスは12月4日に最終巻となる23巻が発売予定で、アニメよりコミックス派という人にとっては、待ち遠しさと、もうすぐ終わってしまう寂しさがあるのではないでしょうか。
ストーリー
気になるストーリーですが、タイトルにあるように「鬼」が出てきます。舞台は大正時代。世界には鬼とよばれる人を食らう生き物がおり、鬼の血を浴びた人間は鬼に変わってしまうという非常に悲しい設定があります。
主人公・竈門炭治郎は炭職人の家に生まれ、平和な日常を送っていましたが、ある日炭治郎が隣町へ出ている間に家族が鬼に襲われてしまいます。母親と兄弟4人が惨殺され、唯一生き残った妹・禰豆子も鬼になってしまいます。
深い悲しみを背負いながら、禰豆子を人間に戻し家族の敵を討つため、炭治郎は鬼狩りの道を進む、という成長のストーリーになっています。
映画『無限列車編』とは
コミックスの1巻～7巻冒頭までのストーリーがすでに第1期としてアニメ放送されており、劇場版はアニメの続きになっています。
■『鬼滅の刃 無限列車編』あらすじ
修行を積み、鬼狩り〝鬼殺隊”の隊員となった炭治郎は、各地の鬼の討伐任務で忙しくしていました。そんなとき、とある列車で人が消え続けているという知らせが舞い込みます。調査に行った鬼殺隊も戻ってこないときく、難易度の高い任務に仲間とともに向かう炭治郎。特に優れた鬼狩りの称号〝柱”である煉獄杏寿郎と合流し、対面したのは、人の心につけこみ夢を操る鬼で――――。
無限列車編のストーリーはとくに読者の人気が高く、その理由の一つが柱である煉獄杏寿郎の登場です。初めて炭治郎たち柱とともに敵と戦うシーンはワクワクしますし、熱い志をもつ煉獄杏寿郎が登場する最後の場面でもあり、煉獄杏寿郎ファンが続出したシーンが放映されています。
動員数は約1940万人、興行収入は約259億となっており、ディズニー『アナと雪の女王』を抜いて歴代3位にランクインしました。新型コロナウイルスの影響で映画業界の売上が低迷している中ひさびさの大ヒット作となり、映画館では1日に複数のスクリーンで複数回上映スケジュールが組まれるほど。
劇場版ならではの大スクリーンで見ることができる柱・煉獄杏寿郎のバトルシーンや、迫力満点の3D映像を楽しみたいと、何度も鑑賞に行く人もいるようです。
鬼滅ブームをつくった魅力とは
アニメのヒット
『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプの連載当初から人気でしたが、2019年4月～9月にアニメがTV放送されてから一層人気度が高まり、過去のジャンプ作品の中でも異例の火のつき方だといわれています。複雑な動きをする剣技や、炎や水といった属性の太刀の動きが、アニメだとよりわかりやすくなっており、山中のシーンの背景は実際にスタッフが山で写真を撮影し映像に使うなど、丁寧な作画制作も人気の理由です。主役の4人だけでなく、すぐに死んでしまう鬼の役にも大物声優を使うなど話題性も満載です。
作者の緻密な設定
ヒットした最も大きな理由は、作者の努力と実力です。原作者の吾峠呼世晴氏は現在31歳の福岡出身のマンガ家。少年漫画の作者なので勘違いする人が多いのですが、実は女性作家です。吾峠呼世晴氏は鬼滅の刃の登場人物すべてにストーリーをつくり、敵である鬼にも悲しい背景があることや、脇役のキャラクターにも抱えている苦悩があることを緻密に描いていることで、非常に高い評価を得ています。
また、ジャンプ作品としては珍しい「敵にも同情するやさしい主人公」の設定がストーリーに意外性を与えているほか、男性だけでなく女性受けもするギャグセンスや、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」というような物事の真意をとらえた心に残るセリフを紡ぎだすことで、多くのファンを獲得したといわれています。
まとめ
『無限列車編』劇場公開前に、金曜ロードショーでダイジェスト版が放送された影響もあり、小学生から年配の人にまでストーリーを知られるようになった鬼滅の刃。アニメ第2期の制作があるのではないかと期待されており、映画はまだまだ上映中です。コラボイベントも各地で展開されており、今後も目が離せない作品です。
