こんにちはノリスケです。
最近イランとアメリカの関係について不穏なニュースをよく耳しますね。対立が続いている状態ですがこの先どうなってしまうのでしょうか。また、どうして対立しているのでしょうか。
イランとアメリカの現状や関係が悪くなった原因などいろいろ調べてきました。
過去から知る両国の関係
両国の対立関係はつい最近になって始まったわけではありません。約40年前からあったものなので、歴史とともに対立の原因や関係を説明していきます。
対立の始まりとなった事件
イラン・アメリカが対立するきっかけは1979年に起こった「イラン・イスラム革命」が原点といわれています。
イランの原油の利権を確保しようとするアメリカ、そして「アメリカの傀儡」とたとえられるほどだった当時のイラン政府。それに反発して起こったのがこのイスラム革命です。
同年にイラン学生らによる「アメリカ大使館占拠事件」も起こり、アメリカはイランとの国交を断絶。まさしく対立の決定的な原因となった事件でした。
占拠された大使館の人質が開放されたのはなんと事件から444日後のこと。「アルゴ」というこの事件を題材にした映画もあるくらい世界で注目を集めた事件です。
アメリカでは連日占拠事件のニュースが流れ、国民のイランに対する不信が強まりました。一年以上も人質を拘束していたので当然の反応ですね。人質の親族や友人たちは当時一体どんな気持ちだったのでしょうか。
一方でイランもイランでアメリカは自分勝手な国だと不信感を強め、お互い反発するようになりました。
イランに対する経済制裁
2002年のイラン核開発問題がありました。核兵器の材料となるウランや核関連施設が発見され、核兵器の開発が疑われた問題です。
イランはあくまで原子力発電のための平和的利用だと主張していましたが、これをきっかけにアメリカはイランに対し強力な経済制裁を実行しました。 ますます関係が悪化していったわけです。
イランの通貨は暴落し、国内の物価は高くなりました。イランは世界で孤立していったという印象ですね。影響をうけた国民やせっかくの豊かな資源を考えると経済制裁は残酷なものだと感じます。
オバマ大統領による歩み寄り
そんな昔から対立が続く両国ですが、ずっと緊張状態だったわけではありません。オバマ政権のときにはつかの間の歩み寄りも実現していました。それが2015年「核合意」です。
イランの核開発を大幅に制限する代わりに経済制裁を解除するといった内容です。お互いの意見をなんとかすり合わせる難しい交渉を重ね、見事合意にいたりました。
対立関係が続く両国でようやく平和への道がみえてきたかのような出来事で、オバマ大統領の政治的功績の1つともいわれています。
トランプ政権で再度対立
オバマ大統領が積み上げてきたものをひっくり返したのがトランプ大統領です。2018年5月トランプ大統領は一方的に合意を離脱し、さらには経済制裁まで行ったのです。
もともとイラン周辺の国(イスラエルやサウジアラビア)、アメリカ国内の保守派から核合意は不満の声もありました。なので一概にトランプ大統領のしたことを批判できませんが、一方的に離脱したことにはやはり多くの国から反対されているようです。
しかし今まで合意を守ってきたイランにとっては当然いい気はしませんよね。関係がますますこじれてしまいました。
経済制裁が始まり、タンカー襲撃事件やサウジアラビア石油施設攻撃事件、イラクの米軍基地ミサイル攻撃事件など、様々な出来事が起こりました。いつ戦争が起きてもおかしくない緊張状態が今も続いています。
戦争は起きる?
様々なメディアで戦争が危惧されています。しかし結論から言うと戦争が起こる可能性は低いという見方多いです。理由は以下の2つです。
- トランプ大統領の選挙が目前
- イラン側の戦争はしないという姿勢
トランプ大統領は選挙を控えています。戦争を始めると多くの予算や時間を費やすことになるので、なるべく避けたいことでしょう。
イランも大国といえどアメリカとの軍事力では圧倒的に劣ります。イラン最高指導者のハメネイ師も戦争はしないということを言っているようです。ただし抵抗は続けると。
お互い引くに引けない状況ですが、まだ現時点では戦争が起こる可能性は低いという考えです。
もちろんこのまま対立が続けばどうなるか分かりませんが、ヨーロッパを始めとした他の国がどうにかしようと外交を続けており、平和的に解決できる可能性もあります。
日本の安倍総理も去年イランに訪問しましたね。2国間では行き詰まっている感じがどうしても否めないので、他の国がなんとか仲介するしかないように思います。
日本でも何かしらの貢献ができるかもしれないので、安倍総理をはじめとした外交関係者に期待しましょう。
まとめ
以上イランとアメリカの関係についての紹介でした。
資源が豊かな中東は日本にとっても重要な地域です。イランとアメリカの対立だからといってまったく無関係というわけにはいきません。経済制裁が終われば原油をイランから輸入でき、国益にも繋がります。
戦争が起こる可能性も考えられますが、できれば平和的に解決することを願います。2国間ではどうしても煮詰まっているようにみえるので、日本やヨーロッパの国の外交に期待したいですね。